木曜日, 11月 10, 2016 || by Inbar Yagur

デジタルメディアの分野が発展・進化するに連れて、マーケッターは益々ターゲティングを重要視する傾向にあります。確かにこれは道理にかなっているでしょう。インターネット広告の世界を西部劇に例えるとすると、ターゲティングは偉大な保安官のような存在。指標をしっかり整理して秩序を保ちます。

とは言え、ターゲティングが100%確実であるとは限りません。たとえば、ベビー用品を販売する会社があるとします。2535歳の既婚女性が子持ちである可能性の高いことを想定して対象とするのもひとつの方法ですが、これでは祖母、父親、母子家庭など、かなり広範囲に渡る対象を逃すことになります。これは極単純な例ですが、業種に限らず、対象外になってしまうオーディエンスが必ずあります。

伝えたいメッセージにユーザー自らオプトイン

これがコンテンツマーケティング、特にコンテンツディスカバリーが効果を発揮する場です。バリュープロポジションを普及することで、クリックという単純行動により、オプトインするかしないか、ユーザーに選択権を与えます。つまり、的を得たコンテンツを多数のオーディエンスに配信しクリックさせることで、興味の度合いを測ることができるのです。すると所定のデモグラフィックに束縛されず、ユーザーがブランド、あるいはコンテンツにどれだけ興味を示すか、ということだけに基づいてオーディエンスを築くことができます。

コンテンツ戦略の一番の目標が宣伝効果を高めることであるべきなのは今まで何回か書きましたが、この場合でも基本は同じです。その良い例がSecret Escapesです。Secret Escapesはラグジュアリーな旅行プランを提供するグローバルなトラベルサイトで、サービスへのメール登録を伸ばしたいと考えていました。「ウェブで最もお得な高級ホテルを見つけるコツ」は、今までサイトで最も成功を収めたコンテンツです。戦略としてはかなり単純なもので、このコンテンツをクリックするユーザーが、高級ホテルの予約に既に興味を持っていることを目当てにしています。つまり、Secret Escapesのバリュープロポジションそのものなのです。

もっともこれでは「売り込みが強すぎ」、CTRにかえって悪影響を及ぼすのではないか、という見方もできます。「売り込みが強すぎる」ことに関しては、純粋に興味を持てる良いコンテンツを、パフォーマンス向上目的の直接的要素で補足することは決して悪いことではない、というのが私の見解です。エディトリアルの完全性がダメージを受ける心配は低いと言えます。コンテンツをクリックするのはメッセージに「オプトイン」することに同意したユーザーだけだからです。

指標を再検討する

また、CTRに対する悪影響については、CTRを指標とすること自体に欠点があると私は思います。

明確なROIを目指して活動を行うコンテンツマーケティングチームは、効果を見極める基準として定めたベンチマークを再検討するべきです。たとえば、セッションごとのページ数を指標として重要視しすぎる企業が多いのが現状です。確かにこれは悪い指標ではないのですが、果たしてユーザーが同じコンテンツページを二度閲覧したからと言って、広告にある靴を購入する確率は上がるでしょうか?そのような場合もあるかもしれませんが、最も意味のあるユーザー行動であるとは言えないでしょう。

データの処理能力や高度化が進むに連れ、「コンプレックスアトリビューションモデル」と呼ばれるテクノロジーが頭角を現してきました。ディスプレイ広告リターゲティングプランの成果が証明されていて、優秀なコンテンツで新しい見込み客をクッキープールに十二分供給できることに自信があるなら、コンテンツが呼び込む新ユーザーの実数や割合が効果を見極めるのに一番適切な指標ではないでしょうか?

ユーザーが今秋の靴コレクションを紹介するコンテンツをクリックするということは、「靴に興味を持っている」ことを明確に語っているので、靴の販売や特別価格など、直接的なセールスメッセージで簡単にユーザーをリターゲティングできるのです。クリックすることでユーザー自ら、対象にする価値のあることを知らせてくれているのです。

これがコンテンツマーケティング、特にコンテンツディスカバリーのパワーです。新しいオーディエンスに発見してもらうのを待つだけではなく、企業側から積極的に新しいオーディエンスを発見することもできるのです。

Inbar Yagur